相見積もりによるコストの適正化

企業の発注コストの適正化を図るために、相見積もりの社内ルールを設定することが有効です。

相見積もりとは、複数の業者から同時に商品やサービスの見積もりを取って、価格や納期、その他の条件を比較することをいいます。

コストの適正化のために、相見積もりは効果がありますが、少額の経費の決定にまで相見積もりを導入することは、業務の煩雑化につながり、相見積もりの導入効果を抑制させる恐れがあります。よって、どのようなときに相見積もりをとるかという社内ルールを設定することが重要となります。そのようなルール設定により、機械的な判断となり業務プロセスがスムーズとなりますし、相見積もりが必要な場面での漏れを防止する効果もあります。

具体的なルールとして、以下のようなものが考えられます。「10万円未満については、現場担当者の判断に一任する。ただし、見積書・領収書等を必ず保管する。」「10万円~50万円未満については、相見積もりは必須ではないが、必ず発注前に取締役の口頭またはメールでの事前承認を得ることを原則とする」「50万円以上については、原則として3社以上から相見積もりを取得し、比較検討資料を作成の上、代表取締役の決裁を必須とする」

これはあくまで一例ですので、企業の規模・業種・購買頻度などに応じて柔軟に設定することが必要です。

例外規定を設けることも重要です。緊急時、唯一の業者である場合、過去1年以内に相見積もりを実施済みで変動がない場合は、例外として相見積もりを省略できる旨などを明記しておくと、柔軟な運用が可能になります。

また、相見積もりをとる際には、発注側があまり重視していないことが、受注側の大きなコスト要因になっていることがあり、それがコストを無駄に大きくしていることがあります。よって、それを除外することを、価格を下げるための譲歩案として提示することで、相見積もりの効果を大きくすることができます。