経営改善での現状分析
事業分析と財務分析を組み合わせることで、確度の高い現状分析を行うことができます。
経営改善を行うにあたって、現状を正確に把握し、経営課題の核心をとらえることがとても大事です。しかし、現状把握においては、課題を正しく認識しているつもりが、実際にはそれが少なからず間違ってしまっているということがあります。
そのような誤りを防ぐため、基本の現状把握の方法として、事業分析と財務分析を組み合わせることが大切です。
ここでの事業分析とは、事業プロセスの分析のことです。現場での感覚的なものや、作業工程の効率性、競合他社との優位比較など、事業の成否に影響を及ぼすものの全般を示すもので、広範囲にわたるものとなります。
これについては、事業従事者へのヒアリングや現場観察などによって、事業遂行上の課題を明らかにしていきます。感覚的なものも多くなると思いますが、実際の事業従事に際して気づくことは経営改善の糸口となることが多いため、意図的にその気づきを明らかにすることが大事です。
この事業分析から分かった内容が、本当に正しいものかを確かめるために、財務分析が必要となります。ここでの財務分析とは、事業活動の結果が数字として示される財務データの分析になります。
以下は簡単な具体例になります。原材料の原価率が上がっていて利益を圧迫しているときに、原材料の仕入価格が上がっていることが原因であると経営者が考えていました。このとき、確かに原材料の仕入価格は上がっていたのですが、財務数字での売上高に対する原料費比率の上がり方はそれより大きく、仕入価格の上昇だけでは説明できないものでした。そこで、現場作業の観察や従事者へのヒアリングなどを行って、原因について子細に調べたところ、機械の不具合が多くなってきていて、歩留まりが下がり、原材料の浪費が多くなっていたという事実が明確に判明しました。
このように、事業分析と財務分析を組み合わせることによって、互いを補完して、現状把握の確度をより高いものとします。上記では、事業分析の内容を財務分析で確かめるという流れでこの組み合わせを説明しましたが、反対に財務分析の内容を事業分析で確かめる順番でも構いません。事業分析と財務分析を組み合わせることが大事になります。

