貸借対照表の2期比較による現預金の増減分析

貸借対照表を当期と前期で比較することによって、現預金の増加と減少の主な原因がわかります。

貸借対照表は、一定時点の企業の資産と負債、その差額の純資産を示したものです。損益計算書は、一定期間の企業の業績を示したものですが、その損益計算書の利益がそのまま現預金の増加につながるわけではありません。損益計算書の利益・損失は現預金の増加・減少に影響しますが、その増加・減少の原因を調べようとした場合、貸借対照表の2期比較をすることが効率的です。

その方法として、当期と前期の貸借対照表を比較します。その内容は、資産と負債、純資産の増減の6個に分けられます。それについて下表に説明します。なお、ここでの資産は現預金以外の資産となります。

事象影響考え方
資産の増加現預金の減少お金の使い道が増えた機械の購入
資産の減少現預金の増加お金の回収が進んだ売掛金の回収
負債の増加現預金の増加資金調達借入金による資金調達
負債の減少現預金の減少借入金等の返済が進んだ借入金の返済
純資産の増加現預金の増加企業所有者の持ち分の増加当期利益
純資産の減少現預金の減少企業所有者の持ち分の減少当期損失

簡単な具体例で考えます。損益計算書の当期利益が200万円で、当期の貸借対照表の純資産が200万円だけ、前期の貸借対照表より増えているとします。純資産が増えているので、現預金を200万円増やす原因となります。

このとき、当期の貸借対照表の売掛金が200万円で、前期の貸借対照表の売掛金が100万円の場合、資産の増加が100万円ということで、現預金を100万円減らす原因になっています。

当期利益と売掛金の合計の影響は、200-100=100で、現預金を100万円増やす原因になります。

企業経営で、現預金の主な増減要因については、明確に把握しておくことが不可欠となります。貸借対照表の2期比較でそれを簡便的に行うことができます。