費用収益対応の原則

一会計期間における企業の業績を示す損益計算書を作成するにあたって、費用収益対応の原則はとても大事なものとなります。費用収益対応の原則を理解することで、損益計算書の数字の意味がかなり理解しやすくなると思います。

費用収益対応の原則とは、簡単にいうと、損益計算書を作成するにあたり、獲得した収益を計上して、その収益の獲得に要した費用を計上することで、収益から費用を差し引いた正味の活動の成果を計算するものです。

損益計算書で計算される収益や費用は、基本的に、発生主義という原則で、現預金の動きだけではなく、実態として発生したかどうかで計上するかを判断します。しかし、発生主義だけでは、計上の判断が恣意的になってしまい、損益計算書の数字が信用できないものになってしまうため、制度的に客観性や確実性を担保するものでなければなりません。

そのため、収益は基本的に実現主義という客観性や確実性が担保されている原則で計上されます。それにより、収益の計上においては、その企業活動と感覚的に整合することが多く、迷うことは多くないと思います。例えば、商品を売ってお客さんに渡した時点でその売渡金額を計上する、工事を行ってその工事が完了した時点で契約によって得られる金額を計上するといったものです。

なお、収益の計上においても、収益認識基準や工事進行基準など様々な制度があり、計上の方法がその企業活動の感覚的なものとは異なることもありますのでご留意いただきたいと思います。ただし、日本の中小企業や個人事業においては、収益の計上は、通常、その企業活動と感覚的に整合しているものが多く、その計上について理解をしやすいと思います。