連帯保証債務の相続
ここで、相続の開始を知った時から3か月を過ぎていても、その連帯保証債務の存在を知ったときから3か月以内においては、裁判所の判断で相続放棄が認められることもあります。認められるためには、連帯保証債務の存在を知らなかったことについて、相当の理由があることが必要です。よって、相続人にできるだけ落ち度がないようにするため、相続が開始してから3か月以内に連帯保証債務の有無についてよく調べることが重要です。
調べる方法としては、被相続人の自宅や事業所にある契約書を確認する、信用情報機関に照会する、などの方法があります。
連帯保証債務は、現行法では書面によることとされていますので(民法第446条2項)、該当する契約書の有無を確認することが大事と思います。
信用情報機関は、国内の銀行等が加盟する機関で、被相続人の情報開示を請求することで、連帯保証債務を負っていることがわかる場合があります。ただし、連帯保証債務が登録されていない場合があり、確認漏れが生じる恐れがあります。また、知人との個人間の契約で連帯保証債務を負っていて、金融機関を介していない場合は、信用情報機関への照会では分かりません。
その他、被相続人の生前行っていた事業で、親密な関係だった人に尋ねるなどの方法もあります。
連帯保証債務の有無を調べることは、あるかどうか分からないものを調べるので、その調べ方は必然的に幅広いものとなってしまいます。そのため、どの程度まで調べればいいかは判断が難しいと思います。しかし、裁判所の判断では形式だけではなく実質がとても重視されるので、どこまで調べればよいか明確には分かりません。目標として、連帯保証債務があることを知らなかったことについて相当の理由があるという状況にはしておきたいです。